大学の研究室において,最先端の研究活動を体験することで,先端科学・技術に対する興味関心をいっそう喚起するとともに,科学・技術の発展に貢献しようとする意識の向上を目指しています。第2期SSHでは,「東京大学特別研究」と「名古屋大学特別研究」の2つの取組を行っています。
●東京大学特別研究
(1)概要
東京大学の研究室に生徒を1週間配属し,大学教員やTAの指導のもと,大学院生と同様の探究的な研究を体験させています。
(2)場所
- 東京大学大学院工学研究科 牛田研究室
(3)実施日
- 令和2年度:新型コロナウイルス感染症の影響により,実施を取り止めました
- 令和元年度:令和元年8月5日(月)~9日(金) *4泊5日
- 平成30年度:平成30年7月30日(月)~8月3日(金) *4泊5日
- 平成29年度:平成29年7月31日(月)~8月5日(土) *5泊6日
- 平成28年度:平成28年8月1日(月)~6日(土) *5泊6日
(4)参加者
- 令和2年度:新型コロナウイルス感染症の影響により,実施を取り止めました
- 令和元年度:希望者 2名(2年生 2名)
- 平成30年度:希望者 8名(3年生 1名,2年生 7名)
- 平成29年度:希望者 5名(2年生 5名)
- 平成28年度:希望者 3名(2年生 2名,1年生 1名)
(5)実施事例(令和元年度)
生体内の力学的環境に注目し,軟骨再生の過程において,圧力などの物理刺激が細胞の分化へ与える影響の解明に挑戦しました。令和元年度の研修では,軟骨組織への静水圧負荷の影響を検証するため軟骨前駆細胞に静水圧処理を行い,処理後の遺伝子発現の変化をリアルタイムPCR法により解析し,ディスカッションを行いました。
①オリエンテーション
②マウス軟骨前駆細胞の観察
③無菌操作,細胞継代,細胞播種
④静水圧刺激開始
⑤mRNA抽出
⑥cDNA合成
⑦PCRによる遺伝子の増幅
⑧培養細胞観察
⑨静水圧刺激細胞の免疫染色および蛍光観察
⑩リアルタイムPCRによる遺伝子発現量の解析
⑪総合討議
●名古屋大学特別研究
(1)概要
名古屋大学遺伝子実験施設を2日間訪問し,大学教員やTAの指導のもと,探究的な分子生物学実験を行っています。
平成28年度および29年度は,名古屋大学遺伝子実験施設 教授 杉田 護先生のご指導のもと,各自が持ち寄った植物試料からDNAを抽出し,ルビスコ遺伝子の一部をPCR法で増幅したのち,塩基配列をDNAシーケンサーで読み取り,分子系統樹の作成に挑みました。
また,平成30年度および令和元年度は,同施設 教授 多田 安臣先生のご指導のもと,シロイヌナズナの野生型および変異体を植物ホルモンで処理したのち,遺伝子発現の変化をリアルタイムPCR法によって解析することで,植物の環境応答のしくみについて探究しました。
(2)場所
- 名古屋大学遺伝子実験施設
(3)講師
- 平成30年度・令和元年度:名古屋大学遺伝子実験施設 教授 多田 安臣 先生,助教 野元 美佳 先生 他
- 平成28年度・平成29年度:名古屋大学遺伝子実験施設 教授 杉田 護 先生,特任助教 一瀬 瑞穂 先生 他
(4)実施日
- 令和2年度:新型コロナウイルス感染症の影響により,実施を取り止めました
- 令和元年度:令和元年7月29日(月),30日(火) *2日間
- 平成30年度:平成30年8月2日(木),3日(金) *2日間
- 平成29年度:平成29年8月4日(金),25日(金) *2日間
- 平成28年度:平成29年7月29日(金),8月24日(水) *2日間
(5)参加者
- 令和2年度:新型コロナウイルス感染症の影響により,実施を取り止めました
- 令和元年度:希望者 19名(2年生 9名,1年生 10名)
- 平成30年度:希望者 15名(3年生 3名,2年生 6名*,1年生 6名) *岡崎高校からの参加者1名を含む
- 平成29年度:希望者 15名(2年生 2名,1年生 13名)
- 平成28年度:希望者 15名(3年生 1名,2年生 4名,1年生 10名)
(6)実施事例(令和元年度)
①研修1日目
・実習1 シロイヌナズナの野生型および変異体への植物ホルモン処理
・講義1 植物ホルモン応答と遺伝子発現調節について
・実習2 植物試料からのmRNAの抽出
②研修2日目
・実習3 mRNAの電気泳動
・実習4 cDNAの作製
・実習5 リアルタイムPCRによる遺伝子発現解析
・講義2 データの解析と考察
・総合討議